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記述式問題 導入見送り 生徒 保護者 専門家は… - NHK NEWS WEB

記述式問題 導入見送り 生徒 保護者 専門家は…

大学入学共通テストでの記述式問題について萩生田文部科学大臣は「受験生の不安を払拭(ふっしょく)し、安心して受験できる体制を早急に整えることは現時点では困難だ」と述べ、当初予定していた再来年1月からの導入を見送ることを発表しました。

高校生「安心と怒りの声」

横浜市にある聖光学院高校は国が行った共通テストの試行調査に参加するなど記述式問題への準備を進めてきました。

しかし、その導入が見送りとなり、教員や生徒からは、安心したという声とともに憤りの声も聞かれました。

高校2年の男子生徒は「新しい試験がどうなるか不安だったので、混乱が一段落するという意味でほっとしています。これまでの国の対応は優柔不断で、どっちに転ぶのか分からない期間が少し長すぎたと思います。国の人たちには、僕たちの受験を甘く見ないでほしいと言いたいです」と話していました。

また、別の男子生徒は「英語も中止、記述も中止で、それなら元のセンター試験でよかったんじゃないかと思っています。記述式問題では、採点作業に学生のアルバイトを雇うとニュースで聞いていたので不安がありました。国には受験生や先生の声をもっと聞いてほしいと思います」と話していました。

国語を担当する内田洋教諭は「実際に私たちも試行調査の記述式問題を採点してみて、公平性にかなり振れ幅があると感じていました。生徒たちには入試の情報に振り回されないよう落ち着いて勉強するよう伝えてきましたが、この時期の発表はあまりにも遅く、かわいそうだと思います。国には入試改革全体の目的を、今一度、見つめ直してほしいです」と話していました。

保護者「親も左右される」

記述式問題の導入が見送られたことについて、都内で保護者に話を聞きました。ことし推薦入試を終えた高校3年の子どもがいる父親は「記述式はその人の考えとかも分かるようになるのでいいとは思うが、一定のルールや公平性は必要だと思う。子どもと一緒になってやっている親も左右されてしまうから急に変わるのは大変だと思う」と話していました。

また、浪人生と来年に受験を控えた高校2年の子どもがいる母親は「受験のことは子どもに任せているが制度が時代と共に変わるのはしかたない。しかし制度が変わることを見越して勉強していると思うので、変えると言うなら、しっかりと変えてほしい」と話していました。

ネットの声は

インターネット上でも、安心やとまどいなどさまざまな声が上がっています。

「1点に人生かかってる」

「共通テストの記述式が延期になったのか!ホッとしたわ。採点ミスや、ぶれなんてとんでもない。1点に受験生の人生がかかってるんだもんね」

「先生たちも大変そうだったし何より前例がないテスト受けさせられる後輩が本当に困ってたからよかった」

「時間とお金を返して」

一方、とまどいや怒りの声が上がっています。

「これではっきりしたのでよかったという感じです。しかし、これまで共通テスト対策の授業を準備していた先生がかわいそう」

「こっちは共通テスト対策の模試をたくさん受けて、参考書も買って勉強して早めに対策しておこうってやってきたのに時間とお金を返してほしいわ。本当に無責任だよね」

中にはこんな投稿も。

「共通テストの試行調査が発表されてからの2年間、土日祝日返上で教材作成、問題作成をしました。今回の入試改革に関わった人たち全員には最大限の呪詛(じゅそ)の言葉を投げかけたいと思います」

「センター試験でいいのでは?」

ほかにも従来通りのセンター試験でいいのではないか、といった意見も。

「大学共通テスト、記述式と英語の民間試験延期ってもうセンター試験と変わらないから2020年度入試もセンター試験そのままやればよくない?」

「英語の民間試験がなくなり、国語と数学の記述もなくなったらしいので、もう中身はただのセンター試験だよね。いっそのこと名前もセンター試験に戻したらいいのに」

受験関係者「課題が多くやっぱり」

代々木ゼミナール教育事業推進本部の佐藤雄太郎本部長は「驚いたがいろいろと課題が多いことは指摘されていたのでやっぱりなと思いました。記述式問題は表現力だけでなく思考力も必要なので高校で学んできたものを試すのには非常によい方式の出題方法だと思う。しかし、受験生たちは自己採点したうえでどこに出願するか決めるので、自分たちできちんと採点できるのかというのが大きな課題となる。また、採点者の力量や知識、経験などで点数が左右される言われてもしかたがないと思う。どうしても記述式を入れるなら採点者を国に任せるなど、責任の所在をはっきりとさせることが必要だ」と話していました。

専門家「制度複雑すぎた」

教育社会学が専門の松岡亮二早稲田大学准教授は「延期そのものはよかったと思うが、どうしてこうした改革に至ったのかという点は解決されていないので検証が必要だ」と指摘します。

記述式の問題点については「自己採点が難しいと、受験時の判断で経済的に恵まれている受験生は私立や浪人を選択肢に強気にいける一方で、恵まれない受験生は受験をやめたり、志願する大学のランクを落としたりするなど、『見えない被害者』を生んでいた可能性がある。また、今回進められてきた入試改革は従来のセンター試験よりも明らかに試験制度が複雑すぎた。複雑化すると対策のビジネスが生まれ、格差が拡大するおそれがある。行政は政策を考える上でそうした懸念も織り込むべきだった」と述べました。

今後については「やりっぱなしの改革はもうやめて、議論や政策決定のプロセスの透明性を高め、導入がもたらす効果についてきちんとしたデータを得て、検証していかないといけない」と話していました。

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December 17, 2019 at 02:28PM
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