中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎で、国内の空港や宿泊施設などが警戒を強めている。24日からの中国の春節（旧正月）による大型連休を控え、水際対策や予防対応に追われている。
新型コロナウイルスによる肺炎への注意を喚起する関西国際空港の検疫所（22日）
武漢との直行便が週に15便ある成田空港では、検疫所や到着ロビーに中国語や英語でせきや発熱などがある場合に申告するよう求めるポスターを掲示。利用者に注意喚起している。
サーモグラフィーで体温を測る装置では、武漢からの到着客にゆっくり通過してもらうなどチェックを念入りにしている。37.5度以上の発熱が確認された場合は、別室で現地での行動などについて質問することにしている。
ただ、国内で感染が初確認された神奈川県在住の男性は武漢からの帰国時に解熱剤を服用し、検疫時には把握できなかった。空港検疫所の担当者は「体調については利用客自身に十分な注意を払ってもらうしかない面もあるが、今後の状況によって対策強化も考えたい」と話す。
宿泊施設も対応を急ぐ。ホテルニューオータニ（東京・千代田）は、日英中の3カ国語で、体調不安を感じる利用客に自己申告を促す用紙を客室に置く準備を進めている。「清掃業務も入念に行うよう指示している」（担当者）という。
グランドニッコー東京台場（東京・港）は春節期間中、1日当たり約200人の中国からの利用客を見込んでいる。ホテル入り口やフロントなどにアルコールの消毒液を例年より多く設置。従業員にも手洗いとうがいを促しているが、清掃スタッフ用に発注しているマスクはすでに品薄の状況という。
担当者は「現状はインフルエンザの予防と同じ対応を徹底するしかない。保健所と連絡を密に取り、最新の情報をもとに対応を考えていきたい」と話している。
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January 23, 2020 at 08:50AM
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新型肺炎に警戒強まる 空港やホテルで水際対策 - 日本経済新聞
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