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建築家・安藤忠雄とブルガリがコラボレーション ブラックホールと無限の時間 - GQ Japan

建築家の藤森照信は、安藤忠雄の建築原理を「板による構成を打ちっぱなしコンクリートで作ることではないか。このありふれた素材の精度を大きく高め、他にはない面構成を盛り込むことで、建築物に唯一無二の個性を与えてきた」と評した。このあり方は、奇しくもチタンというありふれた素材を精密に切削し、ケースに数多くの面を与えた、オクト フィニッシモに同じだ。安藤忠雄がボナマッサに「時計としてパーフェクト」と述べたのは、お世辞ではないだろう。

「 安藤さんとコラボレーションするために、彼が手がけた光の教会を見に行きました。アプローチはオクトと同じでしたね。つまり、シンプルで、光と影があり、ディテールが精密。彼はコンクリートを用い、私はチタンを使う。私たちは共通の言語をもっていたのです」(ボナマッサ)。

今や大型の建築物も得意とする安藤忠雄だが、キャリアのはじまりは、大阪にある住吉の長屋だった。限られたスペースを有効活用するアプローチは、腕時計のデザイン手法に同じだ。安藤忠雄がボナマッサに対して「時計デザイナーは羨ましい」と語ったというのは、両者のありようが似ているからかもしれない。

もっとも、オクト フィニッシモのケースのカタチはすでに決まっているし、安藤自身も「時計としてパーフェクト」と語った以上、なるべくいじりたくなかったのだろう。ではどこに手を加えたのか。彼は、オクトの文字盤からインデックスとロゴを外し、代わりにブラックホールをモチーフとした渦巻き模様を加えたのである。

そのタッチは、まさしく“安藤的”だ。平面を好む彼は、いっぽうで、平面が平たくなりすぎないよう、そして素材感を殺さないよう、絶妙な調整を加えるのが特徴である。本作でも、平面であることと、チタン製の文字盤であることを隠さない程度のアクセントとして、渦巻き模様を配した。巧みなのは線の太さで、これ以上細くしたら骨太なケースには釣り合わなかっただろうし、太くしたら、視認性を悪化させるだけだっただろう。また、渦巻きの中心をオフセットさせることで、あえて、見る者に違和感を残している。平面に対するこの微妙なタッチは、安藤“建築”そのものではないか。

ボナマッサ・スティリアーニと安藤忠雄の邂逅が生み出した「安藤忠雄 × ブルガリ オクトフィニッシモ オートマティック」コレクション。世にコラボレーションは少なくないが、これほど統一感のあるものは希だろう。「これは、安藤さんとブルガリのコヒーレンス、波長の同調が生み出した時計なのです」。

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January 24, 2020 at 07:39AM
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