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フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー - 朝日新聞社

スイスで5つ星ホテルを泊まり歩き、鉄道の1等車で国をぐるり1周する――。&TRAVEL副編集長が2019年8月から9月にかけて、そんな旅を体験しました。写真家の猪俣博史さんと二人三脚で巡った9日間の珍道中、第5回はマッターホルンのふもとツェルマットから、レマン湖畔にある音楽フェスティバルの街モントルーへ。宿についた私たちは、思いも寄らぬ体験をすることになるのです。
(文:&TRAVEL副編集長・星野学 写真・猪俣博史、トップ写真はホテルの部屋に飾られたフレディ・マーキュリーの写真)

第4回<涙して見上げたマッターホルン>から続く。
第3回<揺れる車内で酒を注ぐ神業>はこちら。
第2回<世界遺産の360°ループ>はこちら。
第1回<チューリヒ空港~ポントレジーナ>はこちら。

急行で西進、フランス語圏へ

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

マッターホルンのおひざ元、ツェルマットでの取材を終えた私たちは、2019年8月27日16時13分発の普通列車でモントルーを目指します。といっても、モントルーまで直通ではなく、途中のフィスプで乗り換える必要がありました。
ツェルマットからフィスプまでは、氷河特急のルートを北上して逆にたどります。フィスプから東へ向かえばそのまま氷河特急の逆コースですが、ここで17時35分発の急行電車に乗り換え、西にあるモントルーに向かうのです。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

フィスプ駅。やってきたジュネーヴ空港行きの急行に乗り換えた

フィスプまではほぼドイツ語圏でしたが、そこから西に進むにつれ、街の名前や看板にフランス語が目立ってきます。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

車窓から見かけたブドウ畑

斜面に作られたブドウ畑を沿線のあちこちで見かけました。このあたりはワインの産地でもあるのです。

モントルー着は18時46分。まだ明るいうちの到着です。6時間前にハイキングをしていた高山地帯とはうってかわり、レマン湖のほとりにあるリゾート地です。毎年夏に開かれるジャズフェスティバルで世界に名を知られる街でもあります。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

モントルー駅

駅前で待機してくれていた迎えのタクシーに乗って数分。宿泊先の「フェアモント・ル・モントルー・パレス」に着きました。

ベルエポック様式の瀟洒な宿

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

ホテル「フェアモント・ル・モントルー・パレス」

フェアモント・ル・モントルー・パレスは、1906年に創業した、レマン湖畔にそびえるベルエポック様式の瀟洒(しょうしゃ)なホテルです。作曲家リヒャルト・シュトラウス、元ソ連大統領ミハイル・ゴルバチョフ、俳優ソフィア・ローレンなど、時代を超えてセレブに愛され、モントルー・ジャズ・フェスティバルに出演する一流ミュージシャンの定宿としても知られています。

フロントでチェックインをしていると、ホテルの広報担当者エドメー・ロメジャッリさんが迎えに来てくれました。
「ようこそモントルーへ。まずはスイートルームをご覧いただきます」

フレディ・マーキュリーの名を冠した部屋

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

フレディ・マーキュリー・スイートのリビングルーム

最初に通されたのは、60㎡の通称「フレディ・マーキュリー・スイート」。7階にある湖に面したテラスつきスイートルームです。1泊1490スイスフランから(価格は2020年2月現在。約16万7千円~)。モントルーを愛したロックバンド「クイーン」のボーカリストにちなんで命名されたこの部屋には、フレディの写真が何枚も飾られています。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

「こちらの写真にはフレディのサインがあります」と説明してくださるエドメー・ロメジャッリさん

映画「ボヘミアン・ラプソディ」が世界的ヒットを記録して間もない時期だったため、感慨もひとしお。すると、エドメーさんが恐るべきことを口にします。

「こちらが、あなたのお部屋です」

え? ここ……ですか?

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

広々としたリビングルーム

そういえば、チェックインの時、スイートがどうのこうのと、フロントの人が言ってたな……。考え事をしていて真剣に聞いていなかったのです。エドメーさんがすぐお見えになり、私が渡されたルームキーでこの部屋に入れたので、てっきり取材用の部屋のキーを預かったのだと思い込んでいました。

分相応じゃないな、とは思います。でも、こんなチャンスはもう死ぬまでないでしょう。「何でも見てやろう」精神で、スイートルーム体験に飛び込む決意をしました。

ちなみに、猪俣さんの部屋も、同じ規格の「クロード・ノブス・スイート」。こちらは、モントルー・ジャズ・フェスティバル創設者の名を冠しています。私の部屋は7階の北の端、猪俣さんの部屋は南の端と、ちょうど対極にありました。

クインシー・ジョーンズゆかりの部屋も

猪俣さんと私は、それぞれ部屋に荷物を置き、カメラやメモ帳だけを持って、次の取材に向かいます。7階にもう一つある部屋、110㎡の「クインシー・ジョーンズ・スイート」です。こちらは、1泊2790スイスフランから(価格は2020年2月現在。約31万2千円~)。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

クインシー・ジョーンズ・スイート。突き当たりまで全部同じ部屋

クインシー・ジョーンズは「愛のコリーダ」などのヒット曲がある米国のミュージシャンで、マイケル・ジャクソンと大ヒットアルバム「スリラー」を共同プロデュースしたことでも知られます。ここは、彼がモントルーに来た時に泊まった部屋だそうです。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

リビングルームには、クインシーの肖像画や写真が

エドメーさんが、この部屋にまつわるエピソードを紹介してくれました。

モントルー・ジャズ・フェスティバルの最中、クインシーが泊まっていたこの部屋に、ギタリストのカルロス・サンタナが遊びに来たことがありました。彼らは夜中に部屋の屋外デッキで、にわかセッションを始めたのです。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

屋外デッキ。レマン湖が見渡せる

すると、ホテルのフロントに宿泊客から『あの騒ぎは何だ! うるさくて眠れないじゃないか!』と電話が入ったそうです。担当者が事情を説明したところ、「そうか。それならいいんだ」と電話の向こうでお客さんは納得したとか。世界的な音楽フェスティバルの開催地ならではの話です。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

ベッドルームは広々

音楽好きにはたまらない空間で夕飯

この日の取材は、ここで打ち止め。エドメーさんと別れて、ホテル内のモントルー・ジャズ・カフェで夕飯をとることにしました。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

モントルー・ジャズ・カフェの内部。ミュージシャンの写真がずらり

その名の通り、ジャズフェスティバルや音楽家の写真やゆかりの品があちこちに飾られた、音楽好きにはたまらない空間です。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

こちらにもミュージシャンゆかりの品が

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

うわさをすれば……。私たちの席のそばにはカルロス・サンタナの写真

旅も4日目に入り、スイスらしい料理にもちょっと飽きがきていたので、私は気分を変えてエビのレッドカレーを頼みました。ワインはスイスの白を。猪俣さんは軽めに済ませたいとのことで、ピスタチオとアヒル胸肉のコーンスープとサラダ、イタリアのスパークリングワインを頼みました。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

エビのレッドカレー

日本でいうエビカレーというよりは、カレーソースでいただくエビ料理に付け合わせでライスがついている感じ。猪俣さんのコーンスープも具だくさんで個性的な見かけです。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

コーンスープは見た目も個性的

そして、部屋に戻ってしたことは

部屋に戻ると、21時30分すぎ。いつもより少し早く肩の荷が下りた気分です。

フレディ・マーキュリーの部屋に?! 5つ星ホテルと1等車で巡るスイス (5)ツェルマット~モントルー

ベッドルーム。奥の扉の中は浴室

明日の準備をしながら衣服をそろえていると、シャツはあと1枚、下着は上下とも、もう換えがないことがわかりました。クリーニングに出そうにも朝には間に合いません。仕方なく、バスルームで手洗いすることにしました。

大理石の洗面台にお湯をはり、今までにかいだことのない極上の芳香がするせっけんで、使い古しの下着を洗っている私。とてもちぐはぐな気分でした。

(つづく)

【取材協力】

スイス政府観光局

スイス インターナショナル エアラインズ

スイストラベルシステム

スイス・デラックス・ホテルズ

スイス1周鉄道旅

PROFILE

&編集部員

国内で、海外で。&編集部員が話題の旅先の新たな魅力を「発見」し最新情報をリポートします。

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February 20, 2020 at 09:52AM
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