「新型コロナウイルスは２６～２７度で死滅する」「ウイルス対策にはお湯を飲むと効果的」－。こうした誤った情報が、２４日ごろから無料通信アプリＬＩＮＥ（ライン）やフェイスブックなどを介して本県を含む全国に広がっている。「大事な方に教えてあげて」などと、拡散を促すのが共通点で、専門家は「根拠がない」として注意を呼び掛ける。
富士市の女性会社員（３５）は２５日、ＬＩＮＥを通じて妹から「新型コロナウイルスは耐熱性に乏しいので、より多くの湯を飲むことで自己防衛することが必要」といった内容のメッセージを受け取った。妹は義理の母親から届いた文面を転送したという。拡散している情報の一つとみられ、発信元は「国の医療機関に勤めている友人」となっていた。
静岡市駿河区の女性会社員（４３）は、同様の情報を友人の大学教授のフェイスブック記事で２４日に知った。「信頼できる人のシェアだから、それほど間違いはない」と信じ、実践したという。
出所を「中国武漢の研究所関係者」「友人の看護師」としたり、ウイルスが死滅する温度を「３６～３７度」「５６～５７度」としたりする事例もある。
静岡市立静岡病院の岩井一也感染管理室長は「効果を立証できるデータはない」と言い切る。「社会全体に、何かにすがる気持ちが募っている。科学的根拠がない商品の購入などにつながらなければいいが」と憂慮する。
ＳＮＳやメールが媒介するデマは、社会が不安を抱えた時期に拡散しやすい。インターネット情報との正しい付き合い方を啓発するＮＰＯ法人イーランチ（焼津市）の松田直子理事長は「安易な情報拡散が法的責任を問われるケースもある」とし、「拡散や転送をするなら、公的機関などによる１次情報かどうかを確かめる必要がある。少しでも疑問に感じたら止めてほしい」と話している。
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February 27, 2020 at 05:29AM
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新型肺炎「お湯飲むと効果」デマ拡散 「根拠なし」専門家警鐘｜静岡新聞アットエス - ＠S［アットエス］ by 静岡新聞
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