アメリカ人が新型コロナウイルスを持ち込むとの不安がメキシコで強まり、国境近くの住民たちが検問所を封鎖する事態となっている。
米アリゾナ州の南に位置するメキシコ・ソノラ州の住民らは、25日に国境の検問所を数時間にわたって封鎖。26日も入国する車両の通行を遮断すると誓っている。
住民たちはマスクを着け、アメリカ人に「家から出るな」と告げるプラカードなどを掲げた。
アメリカでは新型ウイルスの感染者が8万3500人を超えて世界最多となった一方、メキシコの感染者は500人に満たない。
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メキシコはアメリカとの国境を、「不可欠な」業務目的の渡航を除いて、全面閉鎖したことになっている。しかしメキシコの住民たちは、閉鎖はほとんど実施されておらず、当局は検査も全くしていないと抗議している。
検問所の封鎖を主導している団体「健康と人生のためのソノラ州民」は、国境を越えてメキシコに入国する全てのアメリカ人に、新型ウイルスの検査をするよう求めている。
この団体のメンバーのホゼ・ルイス・ヘルナンデス氏は米紙アリゾナ・リパブリックに、「連邦政府は現在のパンデミック(世界的流行)に対応する健康チェックをしていない。だから私たちはこの(国境の街)ノガレスにいる。メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領にすぐに行動を取るよう求めるために、この活動をしている」と話した。
国境閉鎖と検査を要求
新型ウイルスのパンデミックへの対策では、アメリカのドナルド・トランプ大統領と同様、メキシコのロペスオブラドール大統領も批判を浴びている。
「健康と人生のためのソノラ州民」は、メキシコのアメリカとの国境を、観光や医療目的のアメリカ人とメキシコ人が越えることを禁止するよう求めている。この禁止には、アメリカの学校や職場に通うために毎日国境を越えている人も含まれると訴えている。
また、アメリカで国外退去を命じられたメキシコ人にも新型ウイルスの検査を実施するよう要求している。
団体は25日午後にデコンチーニ検問所を封鎖。今後も封鎖行動をすると表明している。
大統領は握手やキスをやめず
トランプ米大統領は、メキシコからアメリカに入国する人数を削減することを重要政策の1つに掲げている。国境を越えて来るメキシコ人が、アメリカに社会問題をもたらしていると主張している。
トランプ氏は先週、新型ウイルス対策として国境を閉鎖する予定だと発表した。
米紙アリゾナ・リパブリックによると、米アリゾナ州では新型ウイルスの感染者が400人を超えており、メキシコと国境を接するすべての郡で新型ウイルスによる感染症COVID-19の死者が出ているという。
一方、メキシコ・ソノラ州では感染者は4人しか報告されていない。最初の感染者は3月16日に確認され、最近アメリカから帰国した高齢男性だった。
ロペスオブラドール大統領は、パンデミックへの遅い対応で国内外から批判されている。また、集会や握手、赤ちゃんへのキスなどを続けていることも非難の対象となっている。
(英語記事 Americans not welcome due to virus, say Mexicans)
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March 27, 2020 at 01:49PM
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