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専門家「風通し悪い空間避けて」|NHK 北海道のニュース - nhk.or.jp

国の新型コロナウイルス対策の専門家会議は、感染した人が最も多い北海道のデータを分析したうえでの見解をまとめ、感染しても症状の軽い若い世代が気づかないうちに感染を広げてしまっていると考えられるとして、軽いかぜの症状でも外出を控え、風通しの悪い空間でのイベントにできるだけ行かないよう呼びかけました。

国の新型コロナウイルスの緊急対策本部の専門家会議は、北海道での感染の広がりを受けて、2日、感染の状況や今後求められる対策についての見解をまとめました。
この中で、北海道について、「中国からの旅行者が多く、そうした人々から感染が広がったと考えられる」とした上で、道内全域に感染者が点在している状況で、人口比率で考えると圧倒的に遠隔地で感染者の報告数が多い状況だとしています。
また、▼症状の軽い人は気づかないうちに道内での感染拡大に重要な役割を果たしてしまっていると考えられ、なかでも若年層は重症化する割合が非常に低く感染拡大の状況が見えないため、結果として多くの中高年層に感染が及んでいると考えられるとしています。
そして、▼感染した人のうち、およそ80%は他の人に感染させていない一方、屋内の閉鎖的な空間において至近距離で一定時間交わることによって1人から複数の人に感染させたケースが報告されているとしています。
さらに▼若い世代が多い道内の都市部では、社会・経済活動が活発な人たちがこれらの感染リスクが高い場所に多く集まりやすく、気づかないうちに感染が広がっているとし、▼その一部の人が道内のほかの地域に移動することで感染が拡大したと考えられるとしています。
その上で、この1、2週間に積極的な対応を行えば、感染拡大を急速に収束させることが可能だとして、▼のどの痛みだけなど軽いかぜの症状でも外出を控え、▼規模の大小にかかわらず、風通しの悪い空間で至近距離で会話する場所やイベントにできるだけ行かないよう呼びかけています。
その一方で、症状のない人は、散歩やジョギング、買い物など、屋外での活動や、人との接触が少ない活動、それに手を伸ばして相手に届かない距離をとって会話することなどは感染のリスクは低いとしています。
さらに見解では、10代から30代の人に「お願い」をしていて、若者世代は重症化するリスクの高い人に感染を広める可能性があるとして、「人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、多くの人たちの重症化を食い止め、命を救えます」と訴えています。

【見解全文】
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
「新型コロナウイルス感染症対策の見解」2020年3月2日

この見解は、新型コロナウイルス厚生労働省対策本部クラスター対策班が分析した内容に基づき、専門家会議において検討した結果をまとめた見解です。
現在までに明らかになってきた情報をもとに、我々がどのように現状を分析し、どのような考えを持っているのかについて、市民に直接お伝えすることが専門家としての責務だと考え、この見解をとりまとめました。
なお、この内容はあくまでも現時点の見解であり、随時、変更される可能性があります。

1.この一両日で明らかになったこと
(1)症状の軽い人からの感染拡大これまでは症状の軽い人からも感染する可能性があると考えられていましたが、この一両日中に北海道などのデータの分析から明らかになってきたことは、症状の軽い人も、気がつかないうちに、感染拡大に重要な役割を果たしてしまっていると考えられることです。
なかでも、若年層は重症化する割合が非常に低く、感染拡大の状況が見えないため、結果として多くの中高年層に感染が及んでいると考えられます。
(2)一定条件を満たす場所からの感染拡大これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていません。
一方で、一定条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。
具体的には、ライブハウス、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テント等です。
このことから、屋内の閉鎖的な空間で、人と人とが至近距離で、一定時間以上交わることによって、患者集団(クラスター)が発生する可能性が示唆されます。
そして、患者集団(クラスター)が次の集団(クラスター)を生むことが、感染の急速な拡大を招くと考えられます。
(3)重症化する患者さんについてこれまでにわかってきたデータでは、感染が確認された症状のある人の約80%が軽症、14%が重症、6%が重篤となっています。
しかし、重症化した人も、約半数は回復しています。
重症化する患者さんも、最初は普通の風邪症状(微熱、咽頭痛、咳など)から始まっており、その2段階では重症化するかどうかの区別がつきにくいです。
重症化する患者さんは、普通の風邪症状が出てから約5〜7日程度で、症状が急速に悪化し、肺炎に至っています。

2.現在の北海道の感染状況
推定される発症者数は、日毎に急速に増加していると考えられます。
しかし、この1−2週間の間に、人と人との接触を可能な限り控えるなど、積極的な対応を行えば、感染拡大を急速に収束させることが可能です。
しかし、そうした対策を実施しないと、急速に北海道全体に感染者が拡大する恐れがあります。

3.なぜこのような感染状況に至っているか
(1)北海道における地域的特徴
都市部には、人口が多く、社会・経済活動の活発な若年層が集中していますが、他の圏域には重症化のおそれのある高齢者が多く住んでいるという特徴があります。
また、北海道の6圏域間の人の移動は、都市部と他の圏域との間での流動が多い状況です。
(2)北海道における感染の特徴
北海道には中国からの旅行者が多く、そうした人々から感染が広がったと考えられます。
北海道全体をすべて覆うほどの感染状況にはなっていませんが、北海道全域に感染者が点在している状況です。
また、人口比率で考えると、圧倒的に遠隔地で感染者の報告数が多い状況です。
(3)現状に至った理由
都市部においては、社会・経済活動が活発な人々が、感染のリスクが高い場所に多く集まりやすく、気づかないうちに感染していたと考えられます。
なかでも、若年層に、症状の軽い人が多いと考えられ、そうした人々の一部の人が他の圏域に移動することで、北海道の複数の地域に感染が拡大し、感染した高齢者のなかから症状が出たことが報告されたことによって、感染の拡大状況がはじめて把握できたと考えられます。

4.北海道で実施すべき対策
感染を急速に収束の方向に向かわせるためには、人と人との接触を最大限に避けることが必須です。
これを、いま集中して実施すべきです。
もし、こうした対策が行われず、人々が何も行動を変化させない場合、感染者数が急増し、一定の潜伏期間後に発症者数も急増することが予想されます。
その一部の方々は、重症化する可能性があります。
こうした事態に至ると、多くの人々に健康被害をもたらすほか、医療提供体制に甚大な悪影響を及ぼす事態を招きます。
しかし、現時点で、人々が急速な感染拡大を抑制するために適切な行動へ切り替えれば、新規の感染者数は急速に減少していくと見込まれます。
これがうまくいけば、今後、患者数が急激に増えることはありません。
ただし、潜伏期間があるため、患者数の減少が確認できるまでにはタイムラグがありますので、人々の行動が大きく変わってから2週間ほど経過しないと、その効果を評価することはできません。
なお、感染症のなかには、大多数の人々が感染することによって、感染の連鎖が断ち切られ、感染していない人を保護する仕組みが機能できるものもあります(集団免疫の獲得)。
しかし、現在の感染状況は集団免疫を期待できるレベルではありません。
また、一度感染した人が再び感染するかどうかは、まだわかっていません。

6.北海道の皆様ができること
武漢では、社会機能を停止させることによって感染拡大の収束に向かっていますが、現時点では、日本では社会機能を可能な限り維持しつつ、感染拡大を最大限に抑制することが求められています。
そのためには、できる限り多くの人々に、次のような行動をとっていただきたいと考えています。
<1>軽い風邪症状(のどの痛みだけ、咳だけ、発熱だけなど)でも外出を控えること
<2>規模の大小に関わらず、風通しの悪い空間で人と人が至近距離で会話する場所やイベントにできるだけ行かないこと(例えば、ライブハウス、カラオケボックス、クラブ、立食パーティー、自宅での大人数での飲み会など)
ただし、症状のない方にとって、屋外での活動や、人との接触が少ない活動をすること(例えば、散歩、ジョギング、買い物、美術鑑賞など)、手を伸ばして相手に届かない程度の距離をとって会話をすることなどは、感染のリスクが低い活動です。
北海道の事業者の方へのお願い
上述したように、症状が軽く、経済・社会活動が活発な人々を介して、感染が静かに拡大していることが、今回、明らかになってきました。
したがって、事業所等における活動も、テレワーク、リモートワーク、オンライン会議など、人と人が接触しない形態を大いに活用してください。
出張も最低限に抑制して下さい。
ただし、社会機能の維持に関わる事業者や医療機関においては、事業や診療の継続が必要です。
国民生活に影響を及ぼさないように、感染防御に十分注意して事業や診療を行ってください。

7.全国の若者の皆さんへのお願い
10代、20代、30代の皆さん。若者世代は、新型コロナウイルス感染による重症化リスクは低いです。でも、このウイルスの特徴のせいで、こうした症状の軽い人が、重症化するリスクの高い人に感染を広めてしまう可能性があります。
皆さんが、人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、多くの人々の重症化を食い止め、命を救えます。
以上

【「感染者 約940人の可能性」試算】
国の新型コロナウイルスの専門家会議のメンバーが2日に記者会見し、厚生労働省の対策班のメンバーの1人、北海道大学の西浦博教授は、シミュレーションの結果として先月25日の時点で北海道全域で感染した人はおよそ940人に上っていた可能性があるという見方を示しました。

「クラスター」と呼ばれる感染者の集団が発生するのを防ぐために設置された厚生労働省の対策班のメンバーの1人、西浦教授は、北海道を旅行したあとで他の地域や海外で感染が判明した人の数や、北海道の空港を利用した人数のデータなどをもとに北海道全域で感染した人の数をシミュレーションで試算しました。
その結果、先月25日までの段階で感染した人はおよそ940人に上っていた可能性があるという見方を示し、3月2日までに北海道で感染が確認された77人よりも12倍以上の数となっています。
専門家会議は、状況からみて感染が確認された人のほかにも軽症で感染に気がつかなかった人がいるのではないかとした上で、特に若い世代では症状が軽かったり、ほとんど出なかったりすることが多いとして、知らないうちに感染を広げるのを防ぐために「風通しの悪い空間で人と人が至近距離で会話する場所やイベント」をできるだけ避けるよう呼びかけています。

【札幌市長「学生や若い従業員は注意を」】
専門家会議が、若者世代は重症化するリスクの高い人に感染を広める可能性があると指摘したことに関連して、札幌市の秋元市長は記者団に対し、「札幌市内には多くの大学や若い人が勤めている事業所があるので、学生や従業員は感染拡大を防ぐために注意をしてほしい。限られた空間で人が集まる所に行かないことやかぜの初期症状があれば外出を控えるなど注意してほしい」と呼びかけました。
そのうで秋元市長は感染防止策を強化するため、市役所内に職員10人程度の「感染症対策室」を3日に設置することを明らかにしました。

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March 02, 2020 at 04:16PM
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