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渋谷に登場したシークエンス ミヤシタパーク──ホテルが謳う“次世代型”の姿とは? - GQ JAPAN

はじめに
2020年のはじめから始まるはずだったホテルの開業ラッシュが、コロナ禍を経て、いよいよこの秋からスタートした。大型のインターナショナルブランドから、日本独自の独立系ブティックホテルまで千差万別である。なにが新しくて、どこが面白いのか。その詳細を連載形式でリポートする。第4回はsequence MIYASHITA PARK編!

17階のスイートルーム。94.7平米の室内はリビングスペース、ダブルベッド2つを配したベッドルームとバスタブ付きのバスルームで構成。

新しいホテルの形

ホテルは、街なかの隠れ家などと言われる。起源をたどると、馬車や鉄道を使う旅行者のための施設として発展してきたのが多様化し、いまは、都市生活者が気分をリフレッシュするために利用する場所としても、重要な存在になっている。

「sequence MIYASHITA PARK」(以下シークエンス)は、しかし、隠れ家というより、もっと開かれた施設だ。ドアに鍵がかかっていない家というか。渋谷と原宿を訪れるひとが、気楽に利用できるよう設計されているのだ。

レセプションには、公園との一体感を出す植栽と新進気鋭のアーティストによる作品を展示。客室を含め館内のいたるところに配したアート作品は、Art Stickerアプリを使用して詳細を確認したり、作家にお金を寄付をしたりできる。

「多様な人々の存在をやさしく受け入れ/誰もがリラックスして自由に過ごすことができる公園/そのあり方は私たちが考えるホテルの理想と重なります」

シークエンスのホームページに掲げられた上記のモットーどおり、カフェも、レストランでの食事も、そして宿泊も、いってみれば肩肘はらずに利用できるところが、渋谷に生まれたこのホテルの特徴のようだ。

一例が、「公園からシームレスにつながる」というコンセプトどおりのロビーラウンジ。まさに公園のカフェのように、いやそれ以上気軽にホテルに入ってこられる。そこでラップトップを広げるひともいれば、「VALLEY PARK STAND」なるカフェカウンターで飲み物を頼むひとも。ランチ前には利用者で満席という状態をみると、人気ぶりがわかる。

エントランスを入ってすぐのカフェ&バー「VALLEY PARK STAND 」。気軽に食べられる「ワンハンドフード」やコーヒーなどの他、カクテルやビールなどの酒類も常時販売。

5階には、「Dōngxī(ドンシー)Restaurant & Sakaba」なるレストランが入る。あえて中国語の店名がユニークで、漢字では「東西」だろう。「古今東西の伝統料理や郷土料理を洗練された手法で磨きあげながら、“まだ名前のない”新たな料理」を提供したいと、運営する株式会社ウェルカム(DEAN & DELUCAやCIBONE)の中井次郎氏はいう。

オールデイダイニング「Dōngxī」。館内のすべての料理は、DEAN & DELUCA 元総料理長の境哲也氏が監修する。

たしかに、メニューには、ステーキとともに、フォーやクスクスを使った料理が並ぶ。定番は「オールインワン・サラダ」。大きめの平皿のなかに、野菜、チーズ、肉など、さまざまな素材が入る。

よくみると、プロシュットやモッツァレラによるイタリアの前菜、フランス人の好きなエビの串焼きブロシェット、ニューヨークでよくお目にかかるミートボールなど、世界各地の料理の盛り合わせのようで楽しい。雰囲気もサービスも、従来のホテルよりカジュアルな、カフェのような施設である。

部屋のコンセプトは、さらにユニークだ。ひとつは、スマートデバイスの積極的活用。NEC の顔認証システムによるセルフチェックイン方式で、キャッシュレス対応を導入している。レセプションを通る必要がない。加えて、1室に1台配置したタブレットでルーム内でのチェックアウトが可能となっている。

チェックインはタッチパネル方式も選べる。館内の支払いはすべてクレジットカードか一部QR(LINE PAY、PayPay、ALIPAY、WeChat)のキャッスレス決済のみ。

もうひとつは、部屋のつくりが個性的だ。94平米を超える部屋から東京の眺めが楽しめるスイートもあるいっぽう、バンクベッド(2段ベッド)を利用して4人用や6人用という部屋もある。

6階にある4人用のバンクルーム。東側の客室からは、渋谷駅を往来するJRの電車を見下ろすことができる。

6人用のバンクルームはひと部屋3万円ぐらいなので、シェアすればかなり割安。「女子会に、という利用形態も多いようです」とは、ホテルスタッフの角田実祐さん。いっぽう、家族で週末に、というのもよさそう。ホテルの新しい楽しみかただ。

景色を主眼にした居心地のよさを追求したばあい、勧められる部屋はあるのか。それについて、「16階のラージツインです」と、シークエンスを運営する株式会社三井不動産ホテルマネジメントで、シークエンスのジェネラルマネージャーを務める長谷部修一氏は答えた。

「神宮の森の向こうに新宿の高層ビルという景色が、私は個人的にも大好きで、マンハッタンのセントラルパークごしの風景にも似ているんじゃないかなと思っています」。どれだけ眺めていても飽きないですね、と長谷部さんはつけ加えるのだった。

30.2平米のラージツイン。都内のビル群を見渡すことができる大きな窓が魅力。

ホテルは17時チェックインで、翌14時チェックアウトと、やや変則的。さらに朝食は正午まで用意している。仕事が終わってからチェックインで、翌日が休日ならゆっくりできる、という使い方もできる。ユニークなホテルがまたひとつ誕生した。

sequence MIYASHITA PARK

東京都渋谷区神宮前​6-20-10 MIYASHITA PARK North
TEL 03-5468-6131
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文・小川フミオ

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"ホテル" - Google ニュース
October 23, 2020 at 06:00AM
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