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中国人客の間で日本の「カプセルホテル」が熱い!? 春節直前にデータ分析 - ITmedia

 間もなく、中華圏の旧正月である春節が訪れる。2020年の春節による中国の連休は1月24日にスタートする。例年、夏休みなどと並び訪日客が集中するシーズンだ。今年の春節のインバウンド需要では何が浮上しそうか、中国人向けSNSのデータを分析したところ、ちょっと意外なスポットが浮かび上がった。

 中国市場のマーケティング支援を手掛けるトレンドExpress(東京・千代田)は、中国語SNS・ウェイボーで「訪日時にしたいこと」として投稿されたつぶやきを分析した。中国人訪日客は観光ビザを申請する際、一定の手間や時間がかかるため、旅行のかなり前からやることや買う物を決めているケースが多いとされる。そこで春節直前の3カ月分に当たる19年10月〜12月の書き込み約34万件から、「訪日時にしたいこと」をランキング化した。

 1位には「買い物したい」、3位の「日本料理を食べたい」といった例年の定番体験が並ぶ中、急浮上したのが4位の「カプセルホテルに泊まりたい」だ。前年同時期のランキング(50位まで)では圏外だった。

photo 中国人の間で日本のカプセルホテルが話題、なぜ?(提供:ナインアワーズ、撮影:ナカサ&パートナーズ)

当初は欧米客が飛びついたカプセルホテル

 日本人にとっては日常風景であるカプセルホテルが、なぜ中国人客の興味を引くのか。トレンドExpressのオウンドメディアで編集長を務める森下智史さんは「もともと約10年前、欧米人向けに雑誌で日本のカプセルホテルが紹介されてブームになっていた」と指摘する。狭い寝床が並ぶ機能的なデザインは海外のホテルでは珍しく、ユニークに映ったのが理由とされる。

photo 中国語SNSウェイボー上の書き込みデータから分析した「日本でしたいこと」ランキング(トレンドExpress提供、クリックで拡大)

 同様の流れが近年、中国人客の間でも広がってきた。実際、中国のテレビ番組や、インフルエンサーによるSNS投稿などでこうした日本のカプセルホテルが頻繁に紹介されるように。ファーストキャビン(東京・千代田)や、東京・渋谷などに展開するザ・ミレニアルズといった、比較的洗練された内装が売りのホテルチェーンが話題になっている。

「カプセルホテル宿泊」自体が非日常体験に

 そのうちの1つが、全国13店舗を展開するナインアワーズ(東京・港)。同社の若生景子さんによると、宿泊者のうち訪日客の割合は現在約7割とみられ、日本人客と半々程度だった18年に比べ上昇傾向にある。

photo ナインアワーズの内観(赤坂店、同社提供。撮影:ナカサ&パートナーズ)

 「新規店舗は日本人利用者の方が当初多いものの、海外サイトなどで知名度が上がり、だんだんとインバウンド比率が増えて逆転する傾向にある」(若生さん)。同社のカプセルホテルは現在、ほぼ満席に近い状態が続いているという。

photo カプセルホテルブームを紹介する中国系テレビ局の番組。画像はウェイボーの投稿

 09年に京都の第1号店ができた当初は、デザイン系のメディアに多く露出していた関係もあり、やはり海外の中でもヨーロッパからの注目度が高めだったという。ただ、例えば17年オープンで中国人客が多めの北新宿店(東京・新宿)では、国籍が判明した訪日宿泊客のうち、19年1月の中国人比率は12%と18年に比べ倍増した。20年も同程度の水準で高止まり傾向にあるという。

 18〜19年には中国系のテレビ局や旅行系メディアなどから頻繁に取材を受けた。番組や体験記事では「清潔感やリーズナブルさに加え、(ホテルの)システムやコンパクトさが面白く、普段は感じられない体験ができるといった点がよくテーマになっていた」(若生さん)。

 若生さんによると中国客の多くはやはり観光・買い物目的だが、特徴的なのが彼らの3分の2は「1泊」利用である点だ。一般的に中国人客は、日本に1週間前後滞在するケースが多いとされる。利便性や安さの追求だけでなく、やはり「日本で一度はカプセルホテルに泊まってみたい」と、“非日常”を経験するために利用する中国人客が少なくないようだ。

ヒットの秘密は「SNS映え」?

 実は、ナインアワーズは海外向けに広告を全く打ち出していない。中国人客の流入経路は大手ホテル予約サイトがメーンという。認知度向上に寄与しているとみられるのが、テレビやネットメディアなどのコンテンツに加え、中国系インフルエンサーによる発信だ。特に彼らがカプセルホテルでの宿泊体験をSNSに投稿したがる理由の1つが、内観の「SNS映え」だという。

photo ナインアワーズの内観(水道橋店、同社提供。撮影:ナカサ&パートナーズ)

 「チェックインした中国人客を見ていると、『(動画や写真を)撮らない人はいないのでは?』と思えるほどよく撮影している」(若生さん)。これは外国人客一般が取る行動でもあるが、巣穴のように寝室が密集しているカプセルホテルの光景は海外でまだ珍しく、SNSで映える格好の撮影スポットになっているとみられる。

 かつては団体ツアーがメーンで、「爆買い」ばかりが注目されていた中国人客。所得上昇に加え、ネット上で日本に関する情報が豊富になったこともあり、個人でよりディープな訪日観光を楽しむケースが一般的になっている。春節のインバウンド商戦を前に、こうした意外な「体験型・コト消費」のスポットにさらに注目が集まりそうだ。

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January 21, 2020 at 06:00AM
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