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正月、各家においでになる「歳神様」とは何者でしょう?(tenki.jpサプリ 2020年01月01日) - tenki.jp - tenki.jp

門松や注連縄、鏡餅でお迎えする、と説明される歳神。一体どんな神様なのでしょう。
歳神は、大歳神とも歳徳神とも呼ばれ、穀霊・田の神と先祖霊が習合したものである、と説明されます。けれども、『古語拾遺』では、大歳神は田の神である大地主神が、その土地を耕してきた人に牛を食べさせたことに腹を立て、大地主神の守る田にイナゴを放ち、収穫を台無しにしてしまう神として登場します。
この逸話では、どうも歳神は田の神とは言えないようです。むしろ自在に災害を起こすことの出来る、荒ぶる自然の脅威、あるいは疱瘡神が神格化したもののように考えられます。このような神を、敬して遠ざけこそすれ、穏やかであるべき正月に家に出迎えて歓待するものでしょうか。ちなみに大歳神は、『古事記』では須佐之男命(スサノオノミコト 素戔嗚尊)の一子であるとされます。そして素戔嗚尊は暴風と疫病を司る神です。

一方で歳徳神は、陰陽道で信仰される人の運命を司る神で、毎年変化する歳徳神からのご利益が流れ出てくる方角を「恵方」と呼んで、その方角に向けて「歳徳棚(年棚、恵方棚とも)」を吊り下げ、正月には注連縄や鏡餅、神酒を供えました。節分の風習として近年スタンダードになった「恵方巻き」も、ここから来ているまじない行事ですが、この歳徳棚から言えることは、神様本体をお迎えするというよりも、神から流れ出る何らかの良きパワー、エネルギー、運気といったものを、家の中や家人に呼び込もう、という風習行事だということ。もっともそのパワーそのものを神格化するのならば、

あばら家も歳徳神の御宿かな (小林一茶)

というように、歳徳神がわが家にお泊りになる、というイメージも、間違いではないのかもしれません。
ちなみに歳徳神は「年爺さん」という異名もあって白髭をたくわえた仙人のような翁の姿でも描かれますが、多くの場合貫禄のある大柄で長髪の美女、女神像として護符などには描かれることが多いのです。これは、歳徳神が、祇園・八坂神社の祭神・牛頭天王の后・頗梨采女(はりさいじょ)である、とする言い伝えがあるためです。牛頭天王は素戔嗚尊です。

大歳神は素戔嗚尊の息子。歳徳神は素戔嗚尊の后。
大晦日に各家を訪れるなまはげなどの仮面の来訪神もまた年神ともされ、わけても鹿児島の下甑(しもこしき)島の来訪神は、その名もずばり「トシドン=歳どん」です。来訪神もまた素戔嗚尊の伝説と関係があります。このようにさまざまな側面から光を当てて見ますと、歳神の正体(習合された神々の核の部分にある信仰対象)は、素戔嗚尊なのではないかと、筆者には思えてならないのです。

(参照・参考)
風土記 (岩波古典文学大系)
古語拾遺 (斎部広成 岩波文庫)
門松の起原についての流布説の出鱈目

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