「80坪の土地」に家を建てるとき、どのくらいの広さの家を建てられて、どんな暮らしを実現できるでしょうか。家は建ぺい率や容積率などによって建てられる広さが変わるため、具体的にイメージしづらいという方も多いでしょう。
そこで今回は、80坪の土地に家を建てることを考えている方に向けて、建てられる家の広さや実現できる間取りのプラン例などをご紹介していきます。
80坪の土地に建てられる家の広さを平均値と比較
まずは、80坪の土地に建てられる家が一般的な注文住宅と比べてどのくらい広いのか、また、何人程度が快適に過ごせる広さなのかをイメージしていきましょう。
平均的な注文住宅の広さは約38坪
住宅金融支援機構が発表した「2018年度フラット35利用者調査」によると、注文住宅の住宅面積(延床面積)の全国平均は126.8m2です。坪に換算すると約38坪となります。
住宅面積とは、住居として使える床の総面積です。1階から2階、3階の床面積を合計した面積となるため、1階が20坪で2階が20坪なら、その家の住宅面積は40坪になります。
家の広さは建ぺい率や容積率などによって変わるため一概にはいえませんが、80坪の土地があれば、平均的な注文住宅の2倍の広さの家を建てることが可能です。
参考:「2018年度フラット利用者調査」
80坪は大人9〜10人が快適に暮らせる広さ
国土交通省では、“これくらいの広さがあると快適に暮らせる”という住宅面積の目安「誘導居住面積水準」を設定しています。
2人以上の世帯における都市部以外の一戸建ての誘導居住面積水準は、「25m2×世帯人数+25m2」で求められます。この計算式によると、80坪は約264m2となるため、9〜10人が快適に過ごせる広さです。
80坪の土地に必ずしも80坪の家を建てられるわけではありませんが、仮に80坪の家を建てた場合、二世帯でもストレスなく暮らせるうえ、4〜5人の家族であれば一人ひとりに十分な空間を確保することができます。
一戸建てで快適に暮らすために必要な広さの目安
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世帯人数が3人の場合は100m2→約30坪
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世帯人数が4人の場合は125m2→約38坪
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世帯人数が5人の場合は150m2→約45坪
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世帯人数が6人の場合は175m2→約53坪
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世帯人数が7人の場合は200m2→約61坪
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世帯人数が8人の場合は225 m2→約68坪
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世帯人数が9人の場合は250m2→約76坪
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世帯人数が10人の場合は275m2→約83坪
参考:「住生活基本計画(全国計画)」
https://www.mlit.go.jp/common/001123468.pdf
家の広さを決める建ぺい率・容積率・建築制限とは?
自分が所有する土地だからといって、その土地に建てる家の広さや形状を自由に決められるわけではありません。土地は建築基準法により「建ぺい率」と「容積率」というものが定められ、そのほかにも細かな建築制限が設けられています。これらによって建てられる家の広さは変わるため、家を建てるときには必ずチェックしたい項目です。以下で詳しく見ていきましょう。
建ぺい率とは土地を上から見たときに家が占める割合
建ぺい率とは、敷地面積(土地)に対する建築面積(家)の割合のこと。たとえば80坪の土地の建ぺい率が50%の場合、家を建てられる面積は40坪ということになります。建ぺい率の上限はエリアによって異なりますが、30〜80%に定められていることがほとんどです。
2階建て以上の家を検討している方に特に注意してほしいのが、建築面積の出し方です。建築面積は土地に面している部分ではなく、“土地を上から見たときの建築面積”となります。たとえば上から見て2階すべてと、2階からはみ出して見える1階部分も建築面積です。
容積率とは土地に対する延床面積の割合
容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合のことです。延床面積とは、各階の面積を足した面積のこと。80坪の土地の容積率が100%の場合、1階・2階・3階を合わせて最大80坪の広さの家を建てられるということです。容積率もエリアによって異なり、住宅用地では50%〜200%に定められています。
つまり、80坪の土地に家を建てる場合、「建築面積80坪」の家は建てられません。
その他の建築制限
建ぺい率や容積率のほか、用途地域によっては以下の建築制限が設けられている場合があります。
これらの制限がかかった場合、3階建て以上の家が建てにくくなったり形状にしばりが出てきたりするため、1階・2階の容積率を十分に考慮して設計するとよいでしょう。
・高さ制限
一戸建てを建てられる土地は、第1種・第2種低層住居専用地域といわれる土地に該当することが多いです。この用途地域の場合、建物の高さは10mあるいは12mのうち、都市計画で定められた高さを超えてはならないという高さ制限が設けられています。
・斜線制限
斜線制限とは、隣接する敷地や道路の日照・通風・採光などを確保することを目的として、建物の各部分の高さや形状を制限するものです。斜線制限には、「道路斜線制限」「隣地斜線制限」「北側斜線制限」などがあります。
・日影規制
日影規制は、近隣の日照権を確保することを目的に、隣接する敷地に一定時間以上の日影をつくらないように高さや形状を制限するもの。第1種・第2種低層住居専用地域では、軒高7mを超える建物、あるいは地上3階建て以上の建物に適用されます。
80坪の土地を活用して建てられる家のイメージ
では実際、80坪の土地にはどんな家を建てられるでしょうか。
一般的に建ぺい率と容積率のバランスは1:2が良いといわれています。そのためここでは、建ぺい率50%、容積率100%の場合で考えていきます。
80坪の土地に2階建て住居を建てるとき、建ぺい率50%によって敷地面積は40坪に、容積率100%によって1階・2階を合わせた延床面積は80坪となります。1坪は約2畳なので、ワンフロア80畳の住まいをつくることができます。
以下で、1階80畳、2階80畳の家で可能となる間取りなどをご紹介します。
40畳以上のLDK
ワンフロア80畳の広さがあれば、LDKは開放感あふれる40畳以上にすることも可能です。広さを生かして、リビングスペースはソファでくつろぐ空間と床でくつろぐ空間の両方をつくったり、メインダイニングとは別にバーカウンターを設けたりと、自由な設計を楽しめます。
8LDKも可能
1階2階合わせて160畳の広さがあれば、8〜10畳程度の居室を8つ設けることもできます。子ども部屋や客間、趣味の部屋に加え、キッズスペースやセカンドリビングをつくることもできるでしょう。
大容量の収納スペース
玄関にはシューズインクローゼット、キッチンにはパントリー、寝室にはウォークインクローゼットなどを無理なく設計できるうえ、それぞれ大容量収納が可能です。
ビルトインガレージも可能
駐車場は無理なくつくることができますが、80坪の土地があればビルトインガレージもおすすめ。車両を雨風から守るだけでなく、車やバイクが好きな人であれば作業場としても大活躍するでしょう。なお、ビルトインガレージの広さが延床面積の5分の1以内であれば、延床面積にカウントされないという緩和措置があります。
イングリッシュガーデンも楽しめる広い庭
屋外にも広さがあるため、庭のつくり方にも自由度があります。家庭菜園やBBQを楽しめる庭はもちろん、本格的な日本庭園や、草木の自然な姿を楽しめるイングリッシュガーデンの造作も可能。暮らしを豊かにするプラスアルファの設計を楽しめます。
平屋という選択肢も
2階建て住居を想定してご紹介してきましたが、ワンフロア80畳あれば平屋という選択肢もあります。平屋は根強い人気を誇る住居スタイルです。コミュニケーションが取りやすく、階段がないため老後の暮らしやすさも高まります。
80坪あれば平均の倍の広さの家を建てられる
80坪の土地があれば、平均的な注文住宅の2倍の広さをもつ家をつくることができます。広さにゆとりのある居室、趣味を存分に楽しめるスペース、大容量の収納など、心地よい暮らしを実現するさまざまな設計が可能です。自由なプランニングを楽しんで、ぜひ自分らしい暮らしを実現させてください。
ポイント
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80坪の土地があれば平均的な注文住宅の2倍の広さの家を建てられる
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建ぺい率、容積率、そのほか細かな建築制限によって建てられる家の広さが決まる
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40畳以上のLDK、8LDKの間取り、ビルドインガレージも可能
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広さを生かして平屋という選択肢もある
どの工務店やハウスメーカーに相談するか悩んでいる方、土地の広さから相談したい方は、家探し・家づくりの相談窓口である、LIFULL HOME’S 住まいの窓口もご活用ください。不動産会社ではない“中立の立場”で住まい探しをサポートします。
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March 27, 2020 at 09:06AM
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