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日本の「家づくりの常識」が「30年遅れ」な理由 - 東洋経済オンライン

人気建築家が教える理想の住宅を建てる方法

本間氏が設計した鹿野氏宅のリビング(筆者撮影)

日本は衣食住のうち、「住」だけが海外に比べ大きく立ち遅れている。どうすれば、適正な価格で「理想の家」を手に入れることができるのか。

「大改造!! 劇的ビフォーアフター」などテレビ出演多数の人気建築家で、近著『理想の注文住宅を建てたい!』を上梓した本間貴史氏が、「価格の見える家づくり」として話題のCM分離発注方式を解説する。

家の価格に無頓着な日本人

みなさんは、商品を買うときはどこでお求めになりますか。

『理想の注文住宅を建てたい!』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

例えば家電製品であれば、家電量販店で買う人もいるでしょうし、家電量販店で見た商品を最安値で買える店舗をネットで見つけて買う人もいるでしょう。本であれば、本屋で買う人もいるし、ブックオフのようなリサイクルショップで買ったり、アマゾンで買ったりもするでしょう。

このように購入ルートは本当に多種多様になってきました。これは、消費者がよりよいものをより安く、あるいはより納得のいく価格で購入することに意欲的になったことにほかなりません。

ところがいまだに購入ルートの種類が広がらない業界が存在することも事実です。その1つが、「住宅」でしょう。おそらくほとんどの人にとって一生に一度の高価な買い物なのにもかかわらずです。

逆に一生に一度の買い物だからということで、過剰に保守的になっているのも確かでしょう。ほとんどの方が、住宅購入の際には、「ハウスメーカー」あるいは「工務店」を選択されていることだと思います。そのほうが「安心」だからということで。

確かにそういった大手業者に依頼すれば、「安心」ではありますが、価格とクオリティに心の底から納得するためには、大手業者以外にも目を向けていただきたいのです。とはいうものの、よく知らない業者に発注するのはかなり抵抗があると思います。

でもちょっと考えてみてください。例えば昭和の時代に洋服を買うのは、百貨店がオーソドックスだといわれていました。当時もスーパーや小さな商店でも売ってはいましたが、百貨店で購入するほうが知名度もあるし、「安心」という意識が根強かったのです。

ところが、平成になってしばらくしてからネットショッピングが登場します。はじめのうちは、「ネットで買うのは怪しい」とか、「知らない店での買い物は不安」とか「サイズが合うかわからないし、イメージが違ったら嫌だ」ということで敬遠されていましたが、今はどうでしょう。すっかり定着してしまいました。

なぜなら、ネットのショップは百貨店のような知名度がない分、ほかのことで勝負を挑んでいるからです。それは百貨店のような高付加価値なサービスを取り除くことによる低価格設定であったり、百貨店にない多種多様な商品を取り扱うことだったりします。

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April 25, 2020 at 05:45AM
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