大型連休中の感染拡大を防ぐため、兵庫県は２７日、休業要請の対象について、観光を目的としたホテル、旅館や小規模店舗などを追加すると発表した。対象数は約１万３千施設を見込み、期間は２９日から５月６日まで。要請に応じた事業者への支援金の給付対象にも加える。支援金は２８日から申請を受け付け、２～４週間での支給を予定する。
国が大型連休中の行楽を目的とした宿泊事業に営業自粛が要請できるとした見解を受け、有馬温泉などの温泉旅館や行楽地のホテルに休業の協力を求める。
また、人の接触機会を減らすため、床面積１００平方メートル以下の学習塾やネイルサロン、古本店、旅行代理店なども追加した。
これらの施設は、県の支援金制度の対象にもなる。休業要請に応じ、４月か５月の売り上げが前年同月比で５０％以上減った事業者に対し、中小企業に３０万円、個人事業主に１５万円を給付する。
こうした給付額に対する追加の予算額は全体で約２３億円を見込む。このうち３分の１を市町が負担する。
これまで示してきた対象施設も併せ、県は２８日から支援金の募集要項をホームページで公表し、郵送で申請の受け付けを始める。受け取った事業者の許可が得られれば、名前をホームページで公表するという。
問い合わせは、経営継続支援金相談ダイヤルＴＥＬ０７８・３６２・９３０１（２９日まで）、ＴＥＬ０７８・３６１・２２８１（３０日以降、いずれも午前９時～午後５時）（井関 徹）
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■関係者苦渋の思い「要請、もっと早くあっても…」
新たに兵庫県の休業要請対象となったホテルや旅館。有馬温泉観光協会（神戸市北区）の金井啓修会長（６５）は「予想はしていた。これまで中途半端な状態だった。決まった方が諦めがつく」と受け止めた。
経営する旅館は、大型連休中の予約がすでに激減。残った予約を全て断った上で、雇用調整助成金を利用して従業員を休ませる。
外出自粛要請にもかかわらず、場所によっては観光客が増えている状況を挙げ、「開けていれば人が来る。もっと早く休業要請があってもよかったかもしれない」と苦渋の思いを話した。
ホテルニューアワジ（洲本市）も、淡路島内で展開する系列の計１０旅館・ホテルを２９日から５月６日まで休業し、全ての宿泊予約を断る。木下学社長（５１）は「申し訳ないが、感染拡大の防止に努めることが経済活動を再開させる近道になる」と受け入れた。（中村有沙）
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April 27, 2020 at 08:32PM
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