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「新型肺炎」福島県経済に影 ホテル、居酒屋キャンセル相次ぐ - 福島民友

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う県内経済への悪影響が広がっている。感染拡大防止などを理由に観光地にはキャンセルの連絡が入り、送別会シーズンを間近に控えた飲食店にも予約のキャンセルが相次ぐ。「早く(事態が)収束してほしい」。観光地や飲食店の関係者から切実な声が上がる。

 県内有数の観光地、会津若松市。芦ノ牧温泉観光協会の佐藤直事務局長は「団体のキャンセルが入るようになってきた」と肩を落とす。感染者の増加で、旅行を控えようという雰囲気が広がることを懸念している。

 同市の鶴ケ城を管理する会津若松観光ビューローは、ボランティアガイドによる城内の案内を3月いっぱい中止することを決めた。既に数件程度、予約の取り消しが出ているという。2月の鶴ケ城への来場者は、例年より雪が少ないこともあって28日現在で昨年を4000人程度上回っているが、近藤尚人本部長は「感染拡大の影響がどの程度広がるか、注視したい。桜のシーズンまでには収束してほしい」と願った。

 そんな中、鶴ケ城を訪れる観光客の姿もあった。千葉県から家族で訪れた30代男性は、自家用車で来県。車を降りた後は、家族5人ともマスクを着けて行動した。「不安もあるが、子どもたちを遊びにも連れて行ってあげたい」と話した。

 郡山市では市の行事や民間のイベントの中止が相次ぎ、会議場や宴会場を持つホテルなどでは会場のキャンセルが続発している。同市のホテル関係者は「キャンセルの動きは、政府の行事自粛要請があってから加速した。早く収束しなければ、経営状況への打撃は計り知れない」と表情を曇らせた。

 年度末の送別会シーズンを前に、福島市栄町の個室居酒屋「しだれ」では団体客のキャンセルが続いたという。「70人の団体客の宴会も取りやめになった。団体客の急なキャンセルは、店として損害が大きい」と声を落とす。

 同市の別の居酒屋の担当者は「書き入れ時の飲食店にとっては厳しい状態。例年は送別会などでにぎわっている時期だが、今年は町を歩いている人も少ない」と話した。

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March 01, 2020 at 08:12AM
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