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家を売り「小さなマンション」「憧れの田舎」に引っ越した途端の悲劇(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

貯金がどんどん減っていく

 子どもが独立して、一戸建ては広すぎる。それを売って、夫婦二人で駅近の小さなマンションに住み替えよう――。その選択は、あなたの人生に致命的なダメージを与える可能性が高い。

【写真】自宅を売って1000万円で「美しい農村」に引っ越し、夫婦は崩壊した

 都内在住の清水治明さん(仮名・62歳)は、2年前、持ち家の売却を決めた。

 「子どもが独立して、部屋を遊ばせておくのももったいないので、夫婦でマンションに移ろうと思ったのです。私は以前、自営業をしていたため、退職金がなく、貯金が800万円ほどあっただけでした。

 家を売却すれば小さなマンションくらいは買えるだろうし、余ったおカネは老後資金に充てられるという思いもありました」(清水さん)

 しかし、査定に出したところ、築30年の自宅の資産価値はゼロ。そのため、家を取り壊し、土地だけを売りに出すことになった。土地には約3500万円の値がついたが、ここにも誤算があった。

 「家の取り壊しに約200万円かかりました。さらに測量費用、家財道具の処分などで約80万円。他にも、仲介手数料などを含め、土地を売るだけで、500万円近くかかったのです」(清水さん)

 清水さんが新しく購入したマンションは、都内郊外の駅から歩いて5分の場所にある1LDK。築20年で、価格は約2500万円だった。この時点で、売却益の残金500万円と、貯金800万円をあわせ、1300万円が手元に残った。

 しかし、本当の悲劇は引っ越しが済んだ瞬間から始まった。車を手放さなかったので、駐車場代が月2万円。管理費が月1万円、さらに修繕積立金が月1万5000円かかった。これだけで年間54万円に上る。清水さんが嘆く。

 「夫婦合わせて年金は月18万円ほどですが、これは夫婦二人の食費や光熱費、医療費だけで、ほぼ消えてしまいます。いまのペースだと、貯金は20年強で底をつきます。

 さらに数年後には、マンションで大規模な修繕工事を行う可能性があるため、追加で負担金がかかる可能性があるといいます。日々、貯金の残額を見つめながら暮らしています」

 金銭面だけではない。大阪保健医療大学准教授の山田隆人氏が語る。

 「たとえ低層階でも、階段の昇り降りやエレベーターを使うといった作業が、高齢者には大きな影響を与えてしまいます。外出の回数や友人との交流も減少する傾向にあります。集合住宅では人間関係も希薄になりやすい。そうして認知機能が低下してしまう人が多いのです」

 清水さんの件は2年前の話だが、現在はさらに問題が深刻になっているという。住宅ジャーナリスト・山下和之氏が語る。

 「これまでは、今年のオリンピック後も不動産価格は下落することはなく、順調に上昇していくと言われていました。しかし、新型コロナウイルス流行の影響で、この予想が当てにならなくなってきたのです。

 すでに不動産業者には、早めに売ろうと考えている人からの相談が増えてきているようです。これが実際に売りに出されれば、不動産価格は下降し始めるでしょう」

 基本はいまの家に住み続けるほうがいい。そのために必須なのが、早めにリフォームをして「住宅寿命」を延ばしておくことだ。

 「リフォームでは、断熱、耐震、バリアフリー工事が最も重要です。特に自宅の築年数が経過している場合、これらは老後を送るためには必須と言えるでしょう。自治体によっては補助金が出るので、工事する前に調べておいたほうがいいです」(前出・山下氏)

 たとえば、東京都中央区の場合、耐震補強工事は、「高齢者または心身に障害のある方がいる世帯」など、諸条件を満たせば、工事費の全額が補助される(限度額は300万円)。

 住むところがあるという安心感は何物にも代え難い。各制度を押さえ、「終の住処」を維持していくのが肝要なのだ。

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May 14, 2020 at 06:01AM
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