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水害に強い住宅 進む研究開発 官民連携し「浸水しない家」や「浮く家」 - SankeiBiz

 近年多発するゲリラ豪雨や河川の氾濫による被害を受け、水害を防ぐ住宅が注目されている。水密性を高めた「浸水しない家」や、周囲の水位が増すと浮揚する「浮く家」が登場。専門家も「建物の性能向上と都市計画による防災を組み合わせれば、被害が減り早期の復興につながる」と期待を寄せ、官民連携で研究開発が進む。

 住宅メーカーの一条工務店(東京)は昨年10月、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)と共同で、浸水を防ぐ「耐水害住宅」と通常の住宅を比べる実験をした。

 ◆豪雨踏まえ始動

 防災科研の大型施設に2棟の木造2階建て住宅を並べ、人工的に豪雨を再現。2014年8月の広島土砂災害などで観測された雨量を超え、国内最高記録に相当する毎時300ミリまで引き上げられると、殴り付ける雨粒で視界は遮られ、周囲の人の声もまったく聞こえなくなった。

 1時間半の雨で、家の周囲の水位は1.3メートルに達し、通常の住宅では居間のソファやテーブルが茶色い水に漬かり、浴室や洗面所の排水管から逆流した水が噴き出した。一方、耐水害住宅は浸水を防ぎ、降雨前と少しも様子が変わらなかった。

 同社は15年、茨城県の鬼怒川堤防が決壊し市街地が浸水した関東・東北豪雨を踏まえ、水害に強い家を造るプロジェクトを始動した。

 浸水しない家には、強化ガラスを使った3層の窓を取り付け、新開発の防水材などで隙間を補強。玄関ドアには自動車に使われるゴムパッキンの技術を応用した。エアコンの室外機などは高い位置に取り付け、排水管には逆流を防ぐ特殊な弁を設置した。

 同社は特に被害が大きいと予想される地域向けに、浮力を利用して基礎から建物を浮かせ、水没を防ぐ住宅も開発。船を係留するように家の四隅を敷地につなぎ留め、流されないようにする。

 「災害から命を守る新たな手段の一つになれば」。一条工務店グループの津川武治広報担当は力を込める。普及を図るため、価格は施工面積35坪の場合で通常の新築住宅からプラス40万~100万円程度に抑えた。9月に発売を始め既に問い合わせも来ている。

 ◆対策追いつかず

 防災科研の酒井直樹主任研究員(地盤工学)は「地震の場合は国の耐震基準があるが、水害にはない。近年深刻化した水害には対策が追いついていないのが現状だ」と指摘する。

 1階部分を空けて駐車場にするといった多様な方法が考えられ「高齢者施設や病院など、すぐに逃げられない人のいる建物では特に有効だ」と期待を寄せる一方、堤防決壊による激流や漂流物の衝突は現在の技術で防ぎ切るのは難しく「今後の課題だ」と語った。

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September 21, 2020 at 03:00AM
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