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「家を持とう、テック業界で働こう、ピッツバーグに行こう」テック人材が“東”を目指す理由 - Business Insider Japan

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ピッツバーグ 市街

かつて鉄鋼業で栄えたピッツバーグのテック人材は5年間で2割増えた。

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  • 住宅費の高騰に我慢できずサンフランシスコのベイエリアを出ていくテック系人材が相次いでいる。
  • 代わって、かつて鉄鋼業の中心地だったピッツバーグに人材が集まっている。

サンフランシスコのマンションに住むテック企業の従業員たちは、家路を急ぐハイウェイの車中からこんな看板を見上げたことがあるかもしれない。

「家を持とう。テック業界で働こう。それならピッツバーグに行こう」

ここ数十年の間に、かつての鉄鋼業の中心地は、手ごろな相場で優秀な人材を獲得したいテック企業にとっての「楽園」へと姿を変えた。

2012年から17年にかけてピッツバーグのテック人材は約2割増え、グーグルやフェイスブック、ウーバーのような大手もリモートオフィスを開設した。とはいえ、ユニコーン(=時価総額10億ドル以上のスタートアップ)やベンチャーキャピタリストが次々流れ込んでくるような状況には至っていない。

ピッツバーグ 地図

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そんなピッツバーグに動きが出てきた。

2019年、シリコンバレーのあるエンジェル投資家がテック人材を誘致するキャンペーンを始めたのだ。

投資専業になる前は3度起業してエグジットした経験をもつパトリック・マッケンナは、ピッツバーグをベイエリアに続くテック産業のハブにすることに決めた。地元の有力者たちを巻き込んだ彼の取り組みは大きな注目を集めている。

成長の速いスタートアップは(当初のオフィスが手狭になると)、人件費やオフィス賃料などオペレーションコストの安いフェニックスやデンバー、ソルトレークシティ、オースティン、テキサスといった街にセカンドオフィスを構える戦略をとる。

そのため、マッケンナはこれからさらに多くの企業が東を目指すようになるとみている。

「僕らはよくこう説明するんです。『グーグルだってピッツバーグは素晴らしいって言うんだから、ほかの企業だってそうだろう?』って」

なぜピッツバーグなのか

サンフランシスコ ハイウェイ

サンフランシスコのベイエリアは賃料などの高騰でテック人材の生活維持に支障が出ている。

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ピッツバーグは、アマゾンが第2本社の建設候補地を選定(2018年11月)した際、ファイナリストに残った。

新たに雇用する従業員の住居費が安いというのが大きな理由だ。同市は、アメリカの規模上位40都市圏で最も持ち家比率が高い。賃貸物件の相場は2019年11月時点で平均1280ドル(約14万円)、サンフランシスコの家賃「より」2500ドル(約27万円)以上安い

外国語学習アプリを手がけるデュオリンゴは、ピッツバーグに本社を置く理由について、人材採用の点で有利だからとしている。デュオリンゴのルイス・フォン・アンCEOは2018年のインタビューでこう語っている。

「ベイエリアを出たい人、あるいは大学を出たけどベイエリアには行きたくないという人材をつかまえることができている。ピッツバーグには良い条件の賃貸物件がいくらでもあるし、詳しく調べたわけじゃないけど、家賃は月1000ドルも払えば足りる。そんなのベイエリアじゃ聞いたことがないよ」

魅力は住居だけではない。人材を生み出す大学教育システムも整備されている。近隣の大学はテクノロジー関連の学位を取得した4000人以上の卒業生を毎年輩出している。

起業する人も多く、例えば、ピッツバーグ大学からは2018年度に17社のスタートアップが誕生している。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど大手テック企業の現地オフィスに採用されるケースも多い。

ウーバーはピッツバーグに自動運転の研究施設を開設。エンジニアやサイエンティストのほとんどは(ピッツバーグに本部のある)名門カーネギーメロン大学出身だ。同社は最近、近隣に実験施設向けの土地600エーカー(東京ドーム約52個分)を取得している。

ピッツバーグの伝道師

ピッツバーグ 大学

テック系の学位取得人材を輩出するピッツバーグ大学。

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マッケンナが運営するNPO、ワン・アメリカ・ワークスの理念は「どんなところからでも偉大な企業が生まれる可能性はある」。成長著しい企業と都市圏を結びつけるキューピッド役になるのが狙いだ。

ミルウォーキーやコロンバス、オハイオなどは、優秀な人材を生み出しているにもかかわらず、場所のせいかあまり知られていない。

ブルッキングス研究所が最近発表したレポートによると、2005年から17年までにイノベーション分野で創出された雇用の9割が、5つの都市圏に集中しているという。

マッケンナのワン・アメリカ・ワークスは、2019年だけでベイエリアに本拠を置く1000社を訪ね、ピッツバーグの魅力や優位性を説いてまわった。そのうち、12社がオフィス設置に関心を示し、5社がピッツバーグでの採用活動を検討してくれることになった。結果として、60〜80人分の雇用機会を創出できたという。

インパクトはまだまだ小さい。けれども、マッケンナの描く未来予想図は大きい。

[原文:Silicon Valley is facing an exodus of young employees. Here's why one tech investor is betting on Pittsburgh to take up the mantle.

(翻訳・編集:川村力)

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January 07, 2020 at 02:30PM
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