提供:HARUMI FLAG
都心に新しく街が生まれる。晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業によって誕生する都市開発プロジェクト「HARUMI FLAG」だ。約18ヘクタールという広大な敷地に、分譲住宅・賃貸住宅と商業施設を含め24棟を建築するというかつてない超大規模プロジェクト。東京2020オリンピック・パラリンピックで選手村として活用した後、商業施設の他、3つの分譲地区と賃貸地区を合わせ5632戸、約1万2000人が暮らす全く新しい街としてスタートを切ることになる。
HARUMI FLAGは生態系への配慮や環境技術の導入、ダイバーシティ、そしてデザイン性と、各分野の専門家の知見を総動員した最先端の街づくりへの挑戦でもある。
HARUMI FLAGの住宅分譲街区の一部はすでに販売が始まっており、好調に推移。2020年1月11日からは、交通の要となるマルチモビリステーションや商業施設にもっとも近い街区「SUNVILLAGE」の事前案内会が始まっている。HARUMI FLAGの購入者によると、ゆとりを持った空間設計や、海が見える眺望、都心へのアクセスの良さに加え、教育環境や商業施設が整っているといった暮らしやすさが支持されているようだ。
保育園から商業施設まで、すべてが揃う街
レインボーブリッジを臨む海沿いに立ち並ぶマンション。そこに流れる空気は意外にもゆったりとしている。三方を海に囲まれているからか、それとも道路や中庭が広々としているからか、約3900本植えたという木々のおかげだろうか。カモメが空を横切る。陽の光に照らされマンションに美しい陰影ができる。
銀座駅から約2.5キロメートル、東京駅から約3.3キロメートル。新交通システム「BRT(高速バス輸送システム)」の起着点となり都心へのスピーディな移動を実現しながら、開放感あふれる東京湾を一望できる好立地。東京湾に面した公園は約3.6万平方メートルの晴海ふ頭公園としてリニューアルされる。
近隣には6000平方メートルの校庭を有する小中学校や保育施設もでき、子育て世代の暮らしやすさに配慮されている。2022年度には、地上3階建延べ床面積約19,000平方メートルの商業施設もオープンする。 街作りには、全体のデザインを統括するマスターアーキテクトとして建築家の光井純氏(光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所 代表取締役)を中心に、世界で活躍する25人のデザイナーが結集した。インテリア担当も含めると約50人が協働したという。
世界的建築家25人で協働
写真左から、三井不動産レジデンシャル 東京オリンピック・パラリンピック選手村事業部 推進室の高木洋一郎氏、全体のデザインを統括した建築家の光井純氏、ランドスケープアーキテクトの中野正則氏。
2020年1月9日に行われたトークセッションでは、前述した光井氏と、ランドスケープアーキテクトの中野正則氏(鳳コンサルタント 環境デザイン研究所 東京サテライト長)が登壇。モデレーターを三井不動産レジデンシャル 東京オリンピック・パラリンピック選手村事業部 推進室の高木洋一郎氏が務めた。
超大規模な街づくりは、どのように進められたのか。高木氏は言う。
「せっかくゼロから開発していくのだから、事業の領域を越えて意見交換しながら、住宅街区も道路も公園も、さらには光環境までも、物理的に敷地の境界のないシームレスでつながっている街に仕上げるべきではないかと考えました。初期の段階から建築家たちが目的を共有するための“デザインガイドライン”を作って関係者に提案し進めてきました」
街区ごと事業ごとにチームに分かれて議論するのではなく、デザインガイドラインをもとにそれぞれが担当する建物やランドスケープ空間の模型を持ち寄り、議論を36回も重ねたという。特徴的なのは「街をひとつの公園のようにしてみたい」という考えに基づいた空間づくりだ。
中央に50メートル幅のプロムナード(遊歩道)を配置し、十字路には直径110メートルにわたり人々が行き交う辻空間(広場)を作った。街に入ると遊歩道の向こうにレインボーブリッジが見える、HARUMI FLAGのシンボリックな空間だ。
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光井氏は言う。
「プロムナードを中心に、『SEA VILLAGE』『PARK VILLAGE』『SUN VILLAGE』『PORT VILLAGE』という海に面した街区によって街が構成されています。街全体が大きな半島にあるので、それぞれの場所にはそれぞれの特徴があります。海が見える、街が見える、レインボーブリッジが見える⋯⋯それぞれの場所の特徴を活用してデザインに盛り込んで、空間と建築とランドスケープが一体感を持ちながら、その場所にしかできない街を作りあげていきます」
駐車場はすべて地下に設け、地上はすべて人や植物、生物たちの空間にした。これは事業の領域を越えて協働したからこそ実現したことだという。
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緑豊かな半島を生み出すことで、東京全体の風環境をよくしてサステナビリティにも寄与する。街に住むことが誇りとなる ── そんな理想を描いて街が作られている。
「日本的な美意識、心遣い」をデザインする
中野氏は「日本の精神性や美意識、自然感を大切にし、空間づくりに活かす文化と意識を継承しながら現代の技術を用いた新しい風景を創ることを和技新象と提唱しました。現代生活に適した洗練された新たな風景創出を行うことで、日本らしさを世界に発信できる街になるのではないか」と語る。
ただし、と光井氏は付け加える。
「決して“和風”ではありません。日本の心遣い、細やかな和の感性をデザインの中に組み込みました」
中野氏は、光井氏の言う「日本の心遣い」を、「おもてなしの設計」と形容する。
「この街を訪れた人が街路からエントランスに向かうまで高揚感が得られるような設えをし、そこからエントランスロビーに入ると切り取られた絵画のような風景が出迎えてくれる。そうしたデザインが人々の気分を高め、価値のある住宅になり、誇らしい街になるのではないかと検討しました」
ユニバーサルデザインにも配慮している。
「ユニバーサルデザインの概念は、文化、言語、国籍や年齢、性別の違い、障害の有無や能力差などを問わずすべての人に対してやさしい、多世代にとって使いやすいといった技術的な面もありますが、心の面、すなわち快適さ、豊かさ、気持ちよさを与えるという側面もあります。人が美しいと思うもの、心が落ち着くものは世界共通だと考えています。選手村として使われることを意識し、樹木、光、陰影の表情をデザインの中に織り込んでいくことも大事だったと思います」(光井氏)
世代を超えて受け継がれる街に
街中に公園があるのもHARUMI FLAGのこだわり。子供が水場で遊べる公園や、自然や鳥を観察できる環境も整える。
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世界的に活躍する建築家やデザイナーたちが、持ちうる知見を生かして作った理想の街。彼らはこの街の未来をどのように描いているのか。
「約3900本もの木を植えて創った森を守り続けていただき、木や水、生物、人が永続的に生き続けられるような街にしていただきたい」(中野氏)
HARUMI FLAGは皇居、浜離宮恩賜庭園などの東京都の核となる大きな緑との連鎖が期待できる位置にあり、それを見据えた形で植栽計画をしている。
「この街の緑化の考え方が、今後の大規模開発のモデルケースの1つになっていくといいですね。街での参加型イベントや持続的なタウンマネジメントが醸成することで、『私の家はこの街全体だ』と思ってもらって住民の方に愛着をもって住んでいただけたら、という気持ちでいっぱいです」(中野氏)
マスターアーキテクトの光井氏は「私は、みなさんが活動し、そして幸せになるような舞台を作りました。舞台を生かすのは住まわれる方、街を運営されていく方々。この街が何世代にも渡って受け継がれていく、サステナブルな街であってほしいと思っています」と期待を込めた。
HARUMI FLAGは居住者向けに様々な共用スペースを設けている。ゲストルームやパーティールームに加え、ブックラウンジやシアタースペース、足湯のようなユニークなものも。
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HARUMI FLAGの居住者は、居住する街区に関わらず、街全体で計画されている25の共用スペースを全て利用することが可能。そこでの住民間の出会いやさまざまな交流ができるように設計されている。光井氏は言う。
「街全体がひとつのコミュニティとなり、住んでいることが楽しくなるような、そして歳をとってもここに住むことが生きがいになるような場所になってほしいと思っています」
東京の真ん中にはためく大きな旗のように見えることから名付けられた「HARUMI FLAG」。そのデザインは時代や世代を超えるものとして命を吹き込まれ、今動き出そうとしている。
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February 10, 2020 at 09:00AM
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25人の建築家による「理想の街」。HARUMI FLAGで見たデザインの最先端 - Business Insider Japan
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