日本で初めて反射望遠鏡を制作した近江国国友村(現・長浜市国友町)の科学技術者・国友一貫斎(一七七八〜一八四〇年)が残した望遠鏡のレンズなどの加工途中品や制作道具約六十点が、生家の土蔵から見つかった。これまでに存在が知られていた四十点も含め、制作過程などを知る手掛かりになる貴重な発見。長浜市が十六日に発表した。(川添智史)
一貫斎は四十三歳の時、江戸で欧州製の実物を見たことをきっかけに反射望遠鏡を作ったとされる。国の重要文化財など四台が現存する。向かい合わせた主鏡と副鏡に天体の像を反射させ、接眼部のレンズを通して観測する仕組み。一貫斎は太陽黒点の詳細な連続観測図なども残している。
六月から今月にかけて、国友町の生家の土蔵で保管されていた計百四点を調査。ガラス製の凸レンズや、まぶしさを軽減するための褐色ガラスのフィルター、加工前のガラス塊、主鏡、副鏡、砥石(といし)、レンズ状のくぼみがある研磨台などがある。
当時日本にガラス製造の技術はなく、レンズは輸入したガラス塊を加工してつくったと考えられる。レンズなどの部品類は同様の品が多数あり、試行錯誤の跡が読み取れるという。
また、砥石などの道...
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